力を取り戻しつつある十二獣について〜きのこCS対戦レポ〜

みなさんこんにちは
凍結は解除されませんでした、メカヲタと申します
ご存知の方もおられるかと思いますが、私は主に【十二獣】というデッキを使って大会に参加しています
下級モンスター1体からの連続エクシーズ召喚が特徴的なこのテーマは、前回、そして今回の改訂で、いくつかの禁止カードが制限に緩和され、全盛期とまではいかないもののかつての力を取り戻しつつあります
そして12月21日、大正区民ホールにて行われたきのこCS5人チーム戦にて、個人戦績6-1-1の同率優勝を果たしました
そこで、「今の十二獣ってどんな構築なの?」といったことを中心に、大会レポートとともに【十二獣】の解説をしていきたいと思います

1.はじめに
2.デッキ解説
3.不採用カードに関して
4.大会レポート
5.おわりに

1.はじめに

十二獣が初登場したのは、2016年10月発売の「レイジング・テンペスト」です
«十二獣モルモラット»の効果による展開と完全なる1枚初動という特長、豊富な初動となるカード群にサーチ、破壊による妨害、そして当時主流であったランク4の制圧力によって瞬く間に環境を一色に染め上げました
また、召喚権を使用しない魔法カード«十二獣の会局»の存在により多数のデッキに出張でき、«十二獣モルモラット»1枚に繋がる札からランク4+«十二獣ドランシア»による妨害、純構築であればそこに加えて安定性の高さ、自由枠の多さからくる汎用的な妨害札の優秀さにおいて他のデッキを凌駕し、無類の強さを誇りました
続く「マキシマム・クライシス」でも数枚の新規を得て、翌年1月の改訂では登場時期の関係で直接の規制を免れたこともあり、当面の環境を支配することになります
暴れに暴れた結果、4月改訂では«十二獣の会局»«十二獣ドランシア»が禁止、«十二獣モルモラット»が制限という大幅な規制がなされました
しかしながら、«十二獣ブルホーン»が生き残り、先述の「マキシマム・クライシス」にて【真竜】という新たな相棒を得た【十二獣】は、【十二獣真竜】として新たな環境の一角となりました
続く7月改訂ではついに«十二獣ブルホーン»が禁止に指定され、ここに【十二獣】は終わりを迎えることになったのです
その後の規制された状態の【十二獣】を私は使い始め、2年を超える歳月をこのデッキの考察に費やしてきました

全盛期当時、私は«真竜皇リトスアジムD»をはじめとした「真竜皇」軸の【真竜】と組み合わせた【十二獣真竜皇】を使っていたのですが、«十二獣ドランシア»が禁止に指定されて以降、このテーマを触ることをやめていました
しかしながら、あるときふと【十二獣】を使おうと思い立ち、その他の様々なデッキを使いつつ経験値を貯め、【十二獣】の研鑽に努めてきました
そしてついに、2019年10月改訂で«十二獣の会局»が、続く2020年1月改訂で«十二獣ドランシア»がそれぞれ制限復帰を果たし、【十二獣】は大きな力を取り戻すこととなりました

前置きが長くなりましたが、デッキの解説に入りましょう

2..デッキ解説


「十二獣」モンスターは地属性・獣戦士族で統一されたテーマで、メインデッキに入るモンスターがレベル4、エクストラデッキに入るモンスターがランク4のエクシーズモンスターとなっています
エクシーズモンスターは固有の効果に加えて、1ターンに1度、同名以外の「十二獣」モンスターに重ねてエクシーズ召喚できる効果外テキスト、攻守が素材となっている「十二獣」モンスターのそれぞれの合計分アップする共通効果を持っています
下級モンスターは固有効果に加え、それぞれが獣戦士族エクシーズモンスターの素材となっている場合に付与する効果を備えており、下級「十二獣」モンスターを多く素材とすることで、大きな攻撃力や耐性を得ていくデザインになっています
また、エクシーズモンスターが同名以外に重ねて召喚できる、つまりは下級モンスター1体からエクシーズ召喚が可能で、モンスターを2体揃えずとも動き出せることから、他のエクシーズテーマを遥かに上回る圧倒的な安定性と自由枠の多さを誇ります

ここからは実際の構築を交えて解説します
こちらがきのこCSで使用した構築になります

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【メインデッキ】
十二獣サラブレード ×3
十二獣ヴァイパー ×3
十二獣モルモラット ×1
十二獣ラビーナ ×1
十二獣ラム ×1
十二獣クックル ×1
灰流うらら ×2
幽鬼うさぎ ×2
増殖するG ×3
幻創龍ファンタズメイ ×2
エフェクト・ヴェーラー ×1
鉄騎龍ティアマトン ×3
十二獣の会局 ×1
炎舞-「天璣」 ×3
デッキロック ×3
ハーピィの羽根帚 ×1
コズミック・サイクロン ×1
十二獣の方合 ×3
無限泡影 ×3
王宮の勅命 ×1
醒めない悪夢 ×1

エクストラデッキ
十二獣タイグリス ×2
十二獣ドランシア ×1
十二獣ハマーコング ×2
十二獣ライカ ×2
十二獣ワイルドボウ ×2
トロイメア・フェニックス ×1
小法師ヒダルマー ×1
崔嵬の地霊使いアウス ×1
トロイメア・ユニコーン ×1
無限起動要塞メガトンゲイル ×1
ヴァレルソード・ドラゴン ×1

【サイドデッキ】
ダイナレスラー・パンクラトプス ×2
原始生命態ニビル ×2
冥王結界波 ×2
魔鍾洞 ×1
タイフーン ×2
拮抗勝負 ×3
魔封じの芳香 ×3

まずは【十二獣】の構築において必須となるカードから説明していきます


«十二獣サラブレード»

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「十二獣」モンスターの中で最大となる1600の攻撃力を持ち、付与する効果は守備貫通と攻めの場面で非常に重要となるモンスターです
固有効果は「十二獣」カードを用いた手札交換で、ドロー枚数は1枚と少ないながら、墓地に「十二獣」を置くことが重要となるこのデッキでは、初動として最高のモンスターです
打点による戦闘破壊やライフカットを狙う際には複数枚絡むことも多く、このカードがあるかないかでゲームの取りやすさが変わってくるため3枚必須となっています


«十二獣ヴァイパー»

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1200とサラブレードに次ぐ攻撃力を持ち、固有効果により手札・場からフリーチェーンで獣戦士族エクシーズモンスターの素材となれることから、【十二獣】における打点確保、追撃、擬似的なコンバットトリックと器用な立ち回りができるカードです
付与する効果は戦闘後に相手モンスターを除外するというもので、発動型の強制効果であり、戦闘破壊されることが確定していても発動します
対象を取らず破壊も介さないため、完全効果耐性など一部を除いてほとんどのモンスターを処理できるため、【十二獣】における強みのひとつとなっています
手札から素材にできるこのモンスターの存在から、相手に攻撃を躊躇わせたり、攻撃してきたモンスターを返り討ちにすることもできます
同名含め1ターンに1度の制約がなく、早めにゲームに絡めたいカードであることから3枚必須です
なお、固有効果は直接攻守を変動させる効果ではないため、ダメージステップに発動できないことには注意が必要です


«十二獣モルモラット»

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攻守が0なため、打点上昇には寄与しませんが、固有効果によりデッキ内のすべての「十二獣」カードを墓地へ送ることができます
墓地へ落とした「十二獣」は«十二獣タイグリス»で拾え、また«十二獣ライカ»で釣り上げることができるため、このカードは重要な立ち位置にあります
また、«十二獣サラブレード»と異なり1枚から十二獣を墓地に置くことができるため、他に「十二獣」カードを引いていない場合、«炎舞-天璣»で優先的にサーチします
中盤以降は«十二獣の方合»を直接墓地へ送ることで、リソース戦を強く戦うことができます
固有効果は同名カードのリクルートですが、現在このカードは制限カードであるため、ミラーにおける特定の場合などを除いて使われることはありません
全盛期はこのカードから2枚の同名カードをリクルートし、ランク4を成立させることができました
先述の通り制限カードであるため1枚採用です


«十二獣ラビーナ»

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攻守はともに800と控えめで、優先度はさほど高くありません
固有効果は被破壊時に墓地から同名以外の「十二獣」カードのサルベージ、付与効果は自身を対象とする魔法の発動無効です
破壊される場所を問わず、墓地へ送られる必要もなく、また魔法・罠も回収できることから、«十二獣ライカ»で蘇生して破壊させることでアドバンテージを稼ぐことができます
もちろん«十二獣の会局»で破壊することでも効果を発動できるほか、混成型の構築であれば「メタルフォーゼ」の共通ペンデュラム効果、«ドラゴニックD»などによっても発動が狙えます
また、«十二獣タイグリス»に«エフェクト・ヴェーラー»を被弾した際、«十二獣ライカ»から蘇生、自爆特攻により«十二獣ヴァイパー»を回収、そのまま«十二獣ライカ»の素材にして攻撃といった動きは基本的なプレイングの1つです
付与効果により対【閃刀姫】では重要となるカードですが、複数枚必要となる場面がないため1枚採用です


«十二獣ラム»

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2000という下級モンスターの中では高い水準の守備力を持ち、「十二獣」モンスターの中では攻守の合計が最も高いモンスターでもあります
固有効果は、ラビーナと同様に破壊された場合に墓地から同名以外の「十二獣」モンスターの蘇生、付与する効果は自身を対象とする罠の発動無効です
固有効果によって戦線を維持しやすく、また守備力の高さからも場持ちのいいモンスターです
大抵の下級モンスターに突破されないため、«十二獣サラブレード»や«十二獣ヴァイパー»が絡まない場合にこのカードを素材とし、守備表示で置くことも多々あります
また後述しますが、«十二獣モルモラット»でこのカードを墓地へ送ることで、«無限起動要塞メガトンゲイル»を召喚することもできます
付与効果は【トリックスター】や【サブテラー】をはじめとした罠を主体とするビートダウンデッキに対して重要で、特に【真竜】とのゲームにおいては、このカードへアクセスできているかどうかで勝率が大幅に変わります
«野性解放»や«コンセントレイト»を使う場合には一番上昇値が高かったりもします
こちらも複数必要となる場面が殆どないため1枚採用ですが、環境や構築によっては複数採用することもあります


«十二獣クックル»

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1200と«十二獣ラビーナ»より若干高い守備力を持つものの、固有効果が被破壊時に墓地から同名以外の「十二獣」カードをデッキに戻すと、やや使いづらい効果であることは否めないカードです
ただ、付与効果が自身を対象とするモンスター効果の発動無効と、«妖精伝姫-シラユキ»や«機巧蹄-天迦久御雷»など、多くのモンスターから自身を守れることから、1枚入っていることで«十二獣の方合»による立ち回りに幅を持たせられるカードです
また、«十二獣ラビーナ»が絡んでいない場合に蘇生しておくことでエクストラデッキのリソースを供給できたり、«十二獣ラム»とともに素材とすることで3200という高い守備力を得ることができます
入っているかいないかが重要なため、最低限の1枚採用です


«十二獣の会局»

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1ターンに1度、自分フィールドの表側表示カードを破壊することでデッキから任意の「十二獣」をデッキから特殊召喚することができ、状況に応じたモンスターを供給することのできる非常にパワーの高いカードです
永続魔法ながら破壊とリクルートが一連の効果処理であるため、自身をも破壊対象とすることができ、使い切りの「十二獣」リクルート通常魔法として運用することもできます
また、「十二獣」ネームを持つことから、«十二獣の方合»によるデッキ回収、«十二獣ラビーナ»による手札回収にも対応し、総じて【十二獣】の回転率に貢献する貴重なカードです
ただ、2020年1月時点のレギュレーションで、このカード1枚から墓地に「十二獣」を置くことができるカードが存在しないため、このカード単騎から安易に自身を破壊することはなるべく避けたいところです
また、被破壊時には自身を場の「十二獣」エクシーズモンスターの素材とすることができ、素材のない«十二獣ハマーコング»に素材を供給して耐性を与えるなどの立ち回りもできますが、あくまで破壊された時のおまけ程度に考えておいていいでしょう
基本的にリクルートするのは«十二獣サラブレード»ですが、状況に応じて自身を破壊してでも«十二獣ヴァイパー»«十二獣ラム»をリクルートする必要のある場面も多々あります
複数積みたいところですが、残念ながら制限カードであるため1枚です


«十二獣の方合»

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場の「十二獣」エクシーズモンスターにデッキから任意の「十二獣」モンスターを素材にする通常罠です
ダメージステップ以外であればフリーチェーンで発動でき、ブラフとして伏せる、攻撃された際に使用して擬似的なコンバットトリックとするなど、細かな立ち回りができます
また、相手に合わせて«十二獣ラビーナ»«十二獣ラム»«十二獣クックル»を素材とすることで、相手の除去からモンスターを守ることもできます
墓地に存在する場合には自身を除外することで、墓地の「十二獣」カード5種類をデッキに戻し、1枚ドローする効果を持っています
【十二獣】におけるリソース源の1つであり、このカードへアクセスできているかで中盤以降の持久戦に差が出ます
墓地に送られたターンには使えず、5種類を戻せない場合処理を行わないという欠点はありますが、«十二獣モルモラット»なども絡めて積極的に墓地に置いておきたいカードです
エクストラデッキの「十二獣」が尽きることはすなわち負けを意味するので、«十二獣の方合»1回分を含めエクストラデッキが4周する頃までの決着を心がけましょう
個人的には発動することに強みをおいているため3枚採用ですが、«貪欲な壺»の採用枚数などと総合的に勘案して枚数は決定しましょう
«十二獣モルモラット»からアクセスするため1枚は必須だと思っています


«炎舞-天璣»

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「十二獣」カードではないものの、必須カードの1つです
メインデッキの「十二獣」をすべてサーチでき、«十二獣サラブレード»がある時は必要な「十二獣」を、「十二獣」がある時は«十二獣サラブレード»を、どちらもない場合は«十二獣モルモラット»を、中盤以降は«十二獣ヴァイパー»を優先的にサーチします
獣戦士族の打点を100上げる永続魔法として場に残るため、«十二獣サラブレード»+«十二獣ヴァイパー»の標準的な2800ラインから1歩引き上げることができます
また、後述する«鉄騎龍ティアマトン»とも相性が良く、このカード1枚から条件を満たすことができます
サーチは任意なため«デッキロック»が存在していても発動でき、相手が«灰流うらら»を発動しなければチェーンして«醒めない悪夢»などで«デッキロック»を破壊するといったプレイもできます
同名含めて1ターンに1枚しか発動できないものの、安定性と対応力を高めるため3枚採用です


ここからはその他の採用カードについて解説していきます

«灰流うらら»

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言わずと知れた手札誘発の代表格です
デッキからのサーチ、リクルートを行わないデッキは皆無に近く、それらを行わないデッキであれば«強欲で金満な壺»などのドローソースを搭載しているため、それらの対抗札になるこのカードは必須といっていいでしょう
また、中盤以降の展開に対する«増殖するG»に対しても有効で、腐ることがほとんどないパワーカードです
準制限カードであるため2枚採用


«幽鬼うさぎ»

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【十二獣】においては貴重な除去として機能する手札誘発です
特に現環境では【エンディミオン】をはじめとするペンデュラムテーマが一定数存在するため、後手からそれらに対して有効となるこのカードは非常に有用な1枚です
基本的に1:2交換以上となるように発動するよう心がけ、連続リンクを行うようなテーマにはリンク値が2以上のモンスターに発動することで全体のモンスター数を減らし、その他に関してもコストが必要なカードやマーカーを参照するようなカードに対して発動することで大きく戦力を削ぎます
後述の«増殖するG»を通すためのデコイとしても使えるほか、苦手とするテーマに対して有効札となるため、2枚採用しています
枚数は環境によって変えていいでしょう


«増殖するG»

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こちらも言わずと知れた手札誘発の代表格で、直接相手を妨害するカードではないものの、牽制力にかけては他の誘発から群を抜いた性能を誇ります
発動ターン中に相手が特殊召喚する度に1枚ドローでき、相手が展開系であれば大量の手札を抱えることができ、また引いた誘発によって相手の盤面を崩壊させることもできます
比較的手札誘発が多いこのデッキでは他のデッキに比べて影響力が大きく、中途半端な展開で止まるか、動いて手札を与える、もしくは誘発を食らって展開が止まるかの選択を強いることができます
また、ドローソースに乏しくサーチをほとんど行わないこのデッキでは貴重なハンドアドバンテージ源となり、このカードを通してアドバンテージを稼ぐことを第一に考えます
少なくとも1:1交換にはなるように発動し、また«墓穴の指名者»や«灰流うらら»を被弾しないように、他の手札誘発と合わせて発動する順番を考えましょう
«灰流うらら»や«幻創龍ファンタズメイ»があればそちらから先に発動し、相手の手札を確認してからこのカードを発動します
必須レベルのカードで、3枚採用です


«幻創龍ファンタズメイ»

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手札誘発の1種ですが、自身が場に出て2400という打点を持ち、さらにパーミッション効果も備えると高い性能を誇ります
発動条件も相手がリンクモンスターを特殊召喚した場合と緩く、現環境においては一部のデッキを除いて腐ることは少ないでしょう
相手の展開中に出すことで誘発を引き込みつつ«十二獣の方合»や2枚目の«炎舞-天璣»といった不要札を戻せ、返しのターンでは相手モンスターへ攻撃もできるため非常に強力なカードです
好きな場所に出せるため、相手によっては«鉄騎龍ティアマトン»の発動条件を満たすことにも繋がり、相手に予期せぬ打撃を与えることができます
このカードで«鉄騎龍ティアマトン»を引き込みにいける点も高評価です
3枚被った場合にどうしようもないこと、一部のデッキに対しては完全に浮いた札になることから2枚採用に抑えていますが、リンク中心の高速環境ではフル投入することも考えられます


«エフェクト・ヴェーラー»

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古くから存在する手札誘発で、相手メインフェイズであればフリーチェーンでモンスター効果を無効にできます
基本的に発動できないデッキが少なく、パワー自体は低いものの撃ち方によっては1:1からそれ以上の交換に持っていける、手札誘発の基本ともいえるカードです
コストとして場を離れるカードも起動効果であればこのカードで無力化でき、総じて経験値に依存する誘発といえます
自分と相手のデッキを知り、適切な発動タイミングを見極めましょう
«無限泡影»と違って発動タイミングがやや限定されているものの自分や相手の場の状況に依存せず、相手が«増殖するG»を無視して動いた時に輝きます
複数枚採用したいところですが、枠の都合により今回は1枚となっています


«鉄騎龍ティアマトン»

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特殊な発動条件を持つ効果により特殊召喚される特殊召喚モンスターで、特殊召喚された際にカードを破壊する誘発効果、自身と同じ縦列すべてに地盤沈下と同等の制約を与える永続効果を持ちます
«炎舞-天璣»1枚により召喚条件が整い、空いているエクストラモンスターゾーンの下に出すことで擬似的なエクストラリンクを形成できます
展開系に対しては非常に強い拘束力を誇るほか、低速デッキに対してもエンドサイクの要領で複数枚のカードの破壊を狙え、また封鎖効果によって伏せられるカードの枚数が減るため相手の戦略を大きく狂わせることができます
展開系相手の後手であっても、«無限泡影»や«幻創龍ファンタズメイ»を組み合わせることで瞬間的に縦列に3枚のカードを形成し、このカードを特殊召喚することができます
展開途中にこのカードを出すことで、破壊による妨害はもちろんのこと、マーカー先を封鎖することでそれ以上の展開を止めたりもできます
ペンデュラムテーマに対してはペンデュラムゾーンを封鎖することでペンデュラム召喚自体を封じ、ゲームを有利に進めることができます
打点も2000とそこそこ優秀な数値で、突破するにしても攻撃か除去をこのカードに使わなければならないため、総合的に攻め手を遅らせられる強力なカードです
妨害の1つとして考えているほか、ターンを跨いで複数体出すことでライフを取りにいけるため、3枚採用しています


«デッキロック»

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現環境で主流となっているサーチ、リクルートによる妨害の形成を1枚で阻止することができる優秀な永続魔法です
サーチやリクルートをほとんど行わない【十二獣】では気兼ねなく使える妨害として活躍でき、詰めになることの多い2ターン後には自壊するところも評価を高めます
1ターン目に«十二獣の会局»や«炎舞-天璣»を用いて盤面を形成してこのカードを発動、相手を妨害しながらライフアドバンテージを稼ぎ、このカードが自壊するタイミングで«十二獣ヴァイパー»等から一気にライフを詰めます
仮に勝負を決めきれなかった場合も、2枚目以降のこのカードを発動できれば変わらぬ拘束力を発揮できます
また、【十二獣】がエクストラデッキに擁する«小法師ヒダルマー»により、相手のカードの除去とこのカードの撤去が同時にこなせ、他のデッキで扱うよりも比較的自由に制約を逃れることができます
«王宮の勅命»との噛み合わせは少々悪いものの、どちらも通れば高い拘束力を誇るカードであるため併用しています
メインの妨害に据えて考えているため、3枚採用です


«ハーピィの羽根帚»

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このデッキにおいては貴重な1:2以上の交換が望めるカードで、制限カードに相応しいパワーを誇るカードです
確実に妨害を貰え、«神の宣告»であれば4000のライフアドバンテージを得ることができ、«十二獣ワイルドボウ»を擁するこのデッキではゲームを優位に持っていける可能性が高くなります
腐るデッキが存在すること、先攻時に引いていると浮いてしまうことがネックですが、一定数環境に罠主体の低速系デッキが存在する限りは、メインから抜けることはないと思います


«コズミック・サイクロン»

エンディミオン】や【オルフェゴール】の«オルフェゴール・バベル»の存在から採用しました
【オルターガイスト】等に対しても単純なサイクロン系列として強く扱え、再利用を難しくすることから環境に合致しています
このデッキが重く見る«時空のペンデュラムグラフ»をピンポイントで狙撃できるほか、【真竜】に対しても有効で、使い勝手のいいカードです
後述する«醒めない悪夢»と散らすため今回は1枚採用でしたが、環境によっては複数枚採用することも考えられます


«王宮の勅命»

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エラッタされて復帰した制限カードです
場に存在するだけであらゆる魔法カードを封殺できるこのカードの制圧力は凄まじく、【エンディミオン】や【閃刀姫】に対しては特に強力にはたらきます
また、このデッキが撃たれやすい«ハーピィの羽根帚»«ライトニング・ストーム»に対してもカウンターでき、その他の妨害カードを守り、相手の行動を大きく制限できます
«ワン・フォー・ワン»«強欲で金満な壺»«転生炎獣の炎陣»«魔力統轄»といった強力な魔法カード、«サーヴァント・オブ・エンディミオン»をはじめとしたペンデュラムカードが環境に多い今は、このカードが抜けることはないかと思います
エラッタ後はお互いのスタンバイフェイズに700のライフコストを払い、任意に自壊できないため早期決着を目指しましょう


«醒めない悪夢»

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ライフの続く限り表側表示の魔法・罠を割り続けることが出来るパワーカードです
ペンデュラム相手はもちろんのこと、«転生炎獣の聖域»«転生炎獣の意志»«オルフェゴール・バベル»«トリックスター・ライトステージ»«地中界シャンバラ»«パーソナル・スプーフィング»«オルターガイスト・プロトコル»«星遺物の守護竜»など、強力な永続系カードが多い現環境では広く活躍できます
性質上【暗黒界未開域】などのデッキに対しては完全に腐る札になりますが、それらに対しては多く搭載された手札誘発で対応できるため、その他に対して有効なこのカードは強く扱えるといえます
このカードを発動する際はライフ管理に気を配り、適切に相手モンスターを処理しながらゲームを進めましょう
被ると弱いこと、«コズミック・サイクロン»と併用していることから1枚採用です


«無限泡影»

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罠カードでありながら手札誘発としても扱える異質のカードです
後手の際に誘発の嵩増しになるほか、«墓穴の指名者»を受けないため状況によっては«エフェクト・ヴェーラー»より強く扱えます
また、罠カードであるため発動時にフィールドに置かれることから、«鉄騎龍ティアマトン»の発動条件を相手ターンに満たすことも可能です
単純に罠としてみた場合のパワーの低さは否めませんが、上述のとおりこのデッキでは使い勝手のいいカードとなるため3枚採用しています


次に、エクストラデッキのカードについて解説していきます


«十二獣ドランシア»

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2020年1月改訂でついに制限復帰したカードです
「十二獣」共通の召喚条件に加え、フリーチェーンで表側表示カード1枚を破壊する固有効果を持ちます
破壊対象は自分フィールドでもよく、«十二獣ライカ»から蘇生した«十二獣ラム»を破壊することで、展開を伸ばすことができます
「十二獣」モンスターの召喚から1妨害が構えられるようになったため、かなり戦いやすくなりました
このカードの維持および使い回しが今期からの戦い方の肝になるため、息切れしないよう適切にコントロールしながら戦線を構築していきましょう


«十二獣ライカ»

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【十二獣】においてボードアドバンテージ源となる主力カードです
このカードで「十二獣」モンスターを蘇生して妨害しながら盤面を守り、返しのターンでリンク召喚などに繋いでライフを取りに行きます
同名に関して1ターンに1度の制約がなく、このカードを残してターンが帰ってきた場合、このカード、他の「十二獣」エクシーズモンスター、2枚目の«十二獣ライカ»と繋ぐことでモンスター数を増やすことができます
また、このカードで«十二獣ドランシア»を蘇生して«十二獣タイグリス»で素材を供給、このカード自体はリンクモンスターに繋ぐことで、リンク2モンスター+«十二獣ドランシア»の盤面を形成できます
リンク素材にした「十二獣」モンスターは«十二獣の方合»でエクストラデッキに戻し、返しのターンに備えましょう
きのこCS当時は2枚採用でしたが、3枚あったほうがいいとは思うので、«トロイメア・フェニックス»あたりと入れ替えになるかと思います


«十二獣タイグリス»

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「十二獣」が打点を確保する上で重要なカードです
墓地の「十二獣」を自身の素材と入れ替えて打点を上昇させるほか、«十二獣ライカ»や«十二獣ラム»で蘇生したエクシーズモンスターに素材を供給することもできます
【十二獣】の基本的な初動として、«十二獣サラブレード»で捨てた「十二獣」を、このカードを使って素材とすることで複数の「十二獣」を素材として持たせます
その際は、«十二獣サラブレード»に«十二獣ハマーコング»等を経由して無駄なく素材を供給しましょう
終盤にはどうしてもこのカードが途切れがちなので、«十二獣の方合»、«十二獣ラビーナ»および«十二獣クックル»を用いてリソース回復に努めることも必要です


«十二獣ワイルドボウ»

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直接攻撃できる効果を持ち、打点が3000を超えることが容易なこのデッキでは破格のダイレクトアタッカーと化します
相手フィールドに大型モンスターが存在する場合など突破が難しい状況では、このカードを使ってダメージレースを優位に進めます
早い段階からいかにライフを削れるかがこのデッキの戦術でもありますので、リソースを意識しながらこのカードでライフを取っていきましょう
もちろん、«十二獣サラブレード»+«十二獣ヴァイパー»など、十分に打点が確保出来ている場合はこの限りではありません
一応、素材が12個ある場合に効果がありますが、発動することはほとんどないため特に気にしなくても構わないでしょう
ダイレクトアタック以外に効果がないといえるところから、«十二獣タイグリス»などの「下敷き」として使うこともあります



«十二獣ハマーコング»

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素材を持つ場合に自身以外の場の「十二獣」モンスターに対象耐性を与える効果を持ちます
素材がなければ適用されず、その他に妨害効果を持っているでもないこのカードは使い勝手が悪いことは否めず、それ故に「下敷き」として使われることがほとんどです
しかし、«十二獣ライカ»によって蘇生しておき、«十二獣の方合»や«十二獣ヴァイパー»を併用することで耐性を与えることができます
«十二獣ドランシア»の復帰後はこの効果を適用することも多くなりました
お互いのエンドフェイズに素材を取り除く効果を待っていますが、素材を取り除くのはコストではなく効果であるため注意が必要です
エクストラデッキにリソースとして「十二獣」の種類を残しておきたいことから、2枚から減らすのは難しいと考えています


«小法師ヒダルマー»

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鳥獣・獣・獣戦士の3種族から2体で召喚できるリンク2で、場の3種族を参照して自己強化する永続効果を持っています
また、起動効果により自分・相手の場から1枚ずつ魔法・罠を破壊でき、無意味に残った«炎舞-天璣»などはもちろん、«デッキロック»«王宮の勅命»といったロックカードを自ら解除しながら露払いができます
相手モンスターを戦闘破壊できれば、墓地および除外からすべての「十二獣」を手札に戻せ、«十二獣ヴァイパー»を戻して追撃する「十二獣」の強化、次のターンの初動の確保、またエクストラリソースの回復まで行え、使い勝手のいいカードです
自己強化は自身も参照するため基礎打点は1600で、«炎舞-天璣»や«十二獣ライカ»などと並べればある程度下級モンスターならば破壊できるラインまで引き上げられます
«トロイメア・フェニックス»と違って毎ターン効果が使えること、マーカーが下2つと使いやすいこと、低速系相手のときにリソース維持をしながら露払いできることなど全体的な評価は高く、エクストラデッキに1枚は欲しいカードです


«崔嵬の地霊使いアウス»

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地属性を含むモンスター2体と軽い条件で出せながら、セットされた手札誘発モンスターを超える1850という攻撃力を持ちます
1ターンに1度、相手の地属性モンスターをリンク先に蘇生する効果を持ち、相手依存ながら«増殖するG»など汎用的なカードの多い属性なため腐ることはほとんどありません
特に、マッチ2本目以降で投入されることが多く、非常に高いパワーを持つ«ダイナレスラー・パンクラトプス»を奪取できる点は大きく、攻撃によってダメージを稼ぎ、«ダイナレスラー・パンクラトプス»と«十二獣ドランシア»によってこのカードを守れた場合は、また«ダイナレスラー・パンクラトプス»の奪取が狙えます
破壊された場合には守備力1500以下の地属性モンスターがサーチでき、«十二獣ラム»を除くすべての「十二獣」に加え、«増殖するG»«ダイナレスラー・パンクラトプス»もその範囲に入ります
単体で«トロイメア・ユニコーン»に繋げ、攻撃・防御面でも優れた性能を誇るこのカードを採用しない理由はないといえるでしょう


«トロイメア・フェニックス»

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汎用的な魔法・罠除去カードです
カード名が異なるモンスター2体という緩い素材を持つものの、エクストラモンスターゾーンに出した場合自分フィールドにマーカーが向かず、その後の展開に支障が出てしまいます
«センサー万別»をはじめとする、致命的なダメージを与える魔法・罠を突破するため採用していましたが、«十二獣ドランシア»が復帰した以上採用を外れると思われます
3枚目の«十二獣ライカ»と入れ替えることになるでしょう


«トロイメア・ユニコーン»

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デッキバウンスという強力な除去でありながら、比較的緩い素材で出せるリンク3モンスターです
マーカーも自分フィールドを向いており、メインモンスターゾーンに出した場合も横向きマーカーが使える非常に優秀なモンスターで、環境全体での採用率も低くありません
«崔嵬の地霊使いアウス»から出せるほか、«無限軌道要塞メガトンゲイル»から盤面を伸ばす際にも使え、使い勝手がよく、いざと言う時頼りになるモンスターです
エクストラデッキの枠が不足しがちなこのデッキですが、枠を空けてでも採用したいモンスターです


«無限軌道要塞メガトンゲイル»

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エクシーズモンスター以外のモンスター効果に対して完全耐性を持ち、エクシーズモンスター以外との戦闘で破壊されない重量級モンスターです
リンク3ながら、4000というリンクモンスター中では«L・G・D»に次ぐ最上級の攻撃力を誇り、耐性も相まってこのカード1枚で詰むデッキも存在します
«十二獣ドランシア»の復帰後は«十二獣モルモラット»1枚から召喚することができ、非常に心強いモンスターです
また、起動効果により自分の墓地からエクシーズモンスターを蘇生しつつ相手のカードを除去でき、«十二獣ドランシア»を蘇生して妨害、«十二獣ライカ»を蘇生してさらに展開と高い盤面干渉力を持ちます
特筆すべきは「素材にする」という処理の特異性で、フィールドから離さず、破壊を介さず、直接墓地へ送らないと対象に取れさえすればその除去性能は全カードで見ても最高レベルです
効果を使用するとターン中与えるダメージが半減するものの、除去を優先したり、殴ってから効果を使うことも考えられます
魔法・罠に対しては無力なものの、他のモンスターをそれらから守る事ができるとも捉えられ、捲り、制圧、リソース確保、ライフカットと柔軟に立ち回れる高い性能を持つカードです
これだけでイージーゲームになれる対面もある以上、入れない理由はないかと思います
«十二獣モルモラット»から«十二獣ラム»を墓地に落とし、«十二獣ライカ»で蘇生、«十二獣ドランシア»を重ねて«十二獣ライカ»をコストに«十二獣ラム»を破壊、効果で«十二獣ライカ»を蘇生して«十二獣タイグリス»で素材を供給し効果を使えば、このカードを出すことができます


«ヴァレルソード・ドラゴン»

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凶暴的なまでの性能を誇る、攻撃能力に関しては史上最強と呼んでも過言ではないリンクモンスターです
相手の盤面が空であればこのカードと攻撃力2000以上のモンスターだけでワンキルが成立し、耐性持ちのモンスターも大抵このカードで突破できます
«十二獣ライカ»+«鉄騎龍ティアマトン»で盤面を封鎖した返しのターン、このカードと«鉄騎龍ティアマトン»でワンキルできるため採用していました
ただ、«十二獣ドランシア»の復帰に伴って、盤面維持とライフカットのハードルが下がったこと、このカードや«無限軌道要塞メガトンゲイル»が苦手とする«双穹の騎士アストラム»が重いことから、«ヴァレルロード・ドラゴン»に変更するつもりです


最後に、サイドデッキのカードについて解説します


«原始生命態ニビル»

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エクストラパック2019で登場した手札誘発で、形成中の相手盤面を直接崩壊させる効果を持ち、これまでの手札誘発と一線を画すといえます
展開系相手に«増殖するG»で引き込んで一番強いといってもよく、決まってしまえば大抵展開を止めることができます
特殊召喚されたトークンも«十二獣ドランシア»により除去でき、このカードは3000の打点として運用できる非常に強力なカードです
«外神アザトート»や«召命の神弓アポロウーサ»の存在から有効に発動することができない場面もありましたが、前者は今期から禁止に指定され、後者は«幽鬼うさぎ»や«エフェクト・ヴェーラー»と併せ撃ちすることで突破できます
制圧展開系が存在する限りサイドから外れることはなさそうです
被ってしまうと弱いことと、一発決めれば良いことから2枚の採用に留めています


«ダイナレスラー・パンクラトプス»

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緩い召喚条件で特殊召喚でき、2600という破格の打点に単体除去も併せ持つパワーカードです
後手ではどのデッキに対しても入れられる性能を持ち、このデッキに乏しい相手ターンの除去に貢献してくれます
特殊召喚する場所を選べることから«鉄騎龍ティアマトン»とも相性がよくフル投入したいですが、準制限なため2枚採用


«魔鍾洞»

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決まってしまえば高いロック性能を誇るカードではありますが、環境的にこのカードに対応できるデッキが多いため採用から外す予定です
«V・HEROファリス»軸の【HERO】のようなデッキが多ければ採用してもいいかもしれません
このカードでロックしたまま手札を稼ぐと、«十二獣サラブレード»×3+«十二獣ヴァイパー»×3で8400となり、«十二獣ワイルドボウ»でライフを切ることができます


«冥王結界波»

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破格の性能を誇るカードです
1ターン限定ではありますが«スキルドレイン»のように扱える通常魔法で、さらにこのカードに対してモンスター効果を発動できないため、高い制圧力を誇る【エンディミオン】や【ドラグーン】に対して起死回生の一手となれます
このデッキが重く見る«双穹の騎士アストラム»さえも無力化でき、数ある後手カードの中でも特に優先したい1枚です
【十二獣】は単体除去に乏しく無力化しても捲りきれない可能性が高かったのですが、«十二獣ドランシア»の復帰により盤面に触れる枚数が増え、扱いやすくなりました
«魔鍾洞»と入れ替わるかたちで3枚採用になるかと思います


«タイフーン»

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単体性能としては«サイクロン»等に劣るものの、ペンデュラム系統の相手には手札誘発のように使える点で評価される罠カードです
エンディミオン】が台頭する現環境では非常に心強いカードですが、枠の都合もあり2枚に留めています


«拮抗勝負»

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1:多交換が望める非常に強力なカードで、通れば相手の盤面を壊滅に追い込めるほどのパワーを有します
展開系デッキ相手には«冥王結界波»や«ダイナレスラー・パンクラトプス»を用いて無効系の妨害を浪費させてから発動しますが、低速系デッキ相手には伏せカードの枚数次第とはいえ即撃ちしても問題ないでしょう
«神の宣告»等の発動を強いることができ、«ハーピィの羽根帚»などと併せ引きするとほとんどの場合でゲームを握ることができます
実質的にバトルフェイズを放棄することにはなりますが、相手の盤面によってはそもそも攻撃が通らないことがほとんどなため、こちらを優先したほうがいいでしょう
発動にターン1の制限がなく、«神の宣告»等の処理後に2度撃ちできること、後攻1ターン目に引きたいことから3枚のフル投入です


«魔封じの芳香»

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ペンデュラム系統のデッキや【閃刀姫】相手に強く刺さる永続罠です
このデッキがマッチ戦で投入されやすい«ライトニング・ストーム»などに対しても延命処置になり、拘束力自体は非常に高いカードです
ただ、こちらの魔法カードも1テンポ遅れる、除去しきれないと伏せられた魔法カードは発動されるというリスクもあるため、このカードで拘束している間に可能な限りゲームを握りましょう
【十二獣】が苦手とする【エンディミオン】が環境に多いことから3枚投入しています



3.不採用カードに関して

このタイプのデッキに採用されるようなカードで今回採用しなかったカードについて解説します


«強欲で貪欲な壺»
1枚のハンドアドバンテージを得られるカードではあるものの、デッキトップを10枚除外するという重いコストを持ちます
コストとして除外されたカードは裏側表示なため«小法師ヒダルマー»でも回収できず、そのデュエル中使用不能になるといっていいでしょう
アドバンテージ獲得能力に関しては魅力的なのですが、«十二獣の方合»の対応力を下げたくなく、また複数枚の«十二獣ヴァイパー»を失う可能性があるため不採用にしています


«スケープ・ゴート»
発動ターンに一切の召喚を封じられるものの、レベル1のトークンを4体特殊召喚できるパワーカードです
トークンは地属性で【十二獣】とも相性がいいのですが、«幻創龍ファンタズメイ»や場合によっては«鉄騎龍ティアマトン»が使用できず、相手ターン中の妨害性能が下がるため不採用にしています
また、このカードの採用に伴ってエクストラデッキも圧迫するため、«十二獣ドランシア»の復帰があった今、このカードを採用することは難しいと考えています


«神の宣告»«神の警告»«神の通告»
一定のライフコストと引き換えに相手の行動を阻害するカウンター罠群です
その妨害性は非常に高いものの、ドローソースに乏しいこのデッキでは複数枚構えることが難しく、どうしても1:2ないし1:1交換程度にしかなりません
また、サイドから投入されやすい«ライトニング・ストーム»等のバック破壊カードや«レッド・リブート»の裏目を作りたくなく、メインからも見られる«ハーピィの羽根帚»で壊滅したくないという方針のため、採用を見送りました
また、展開系相手にメイン戦で後手に回った場合を考えて誘発に枠を割きたく、枠の都合という側面もあります


«手違い»
かつて採用していたカードではありますが、【オルフェゴール】等に刺さらないこと、罠カードであるため«レッド・リブート»を受けることなどから、現在は«デッキロック»にその立場を譲っています
サーチを多用するデッキが台頭するならば併用も考えられます


«大捕り物»
相手ターンに発動できる«精神操作»として使え、汎用性の高いカードではあるものの、このデッキが受けやすい«サイクロン»系統のカードを受けると1妨害にすらならないこと、このカードを受けても展開できるデッキが多いことから不採用になりました


«十二獣の相剋»

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イラストは強いです


«十二獣ブルホーン»

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禁止です


«ミセス・レディエント»
地属性2体でリンク召喚でき、地属性全員の強化と風属性の弱化、被破壊時に墓地から地属性モンスターのサルベージと優秀な効果を備えているのですが、枠の都合で非採用となりました
エクストラデッキが20枚になれば採用すると思います


«グラビティ・コントローラー»
エクストラモンスターゾーンの「十二獣」1体でリンク召喚でき、エクストラモンスターゾーンのモンスターを対象に取らずバウンスできるため、除去としては強力です
ただ、この効果が必要なモンスターは«双穹の騎士アストラム»など一部のモンスターに限られ、それらに対してもメインモンスターゾーンに出された場合無力と微妙なところは否めません
「十二獣」ネームが途切れるうえに効果を使うとこのモンスター自体も消えるため、多少用途は変わりますが«ヴァレルロード・ドラゴン»で十分かと思います


«FNo.0未来皇ホープ»
耐性とダメージ無効化により場持ちはよく、一時的に相手モンスターを奪取して攻勢に転じられますが、バトルフェイズ中のみと短く、またエクストラモンスターゾーンのモンスターをメインモンスターゾーンに移動させてしまうため、使いやすいとはいえません
何より、エクシーズモンスターなため«十二獣ライカ»から即座に出すことができず、マーカーと「十二獣」ネームを持たないため次のターン展開が繋がらず、攻めとしても守りとしても中途半端なモンスターです
«FNo.0未来龍皇ホープ»を出す場合に必要ですが、それらを出せる場合には«無限軌道要塞メガトンゲイル»を出せることが多く、戦線維持、攻勢、盤面干渉、およびエクストラデッキの圧迫の面で見ても採用する意義は薄く感じます


«武神姫-アハシマ»
入れる理由を探す方が難しい


4.大会レポート

ここからはきのこCSの大会レポートです
うろ覚えで略称等を多用するため、読み飛ばして頂いて構いません


閃刀姫
後○先✕先✕ チ✕

1本目後攻、相手の2伏せシズクにファンタズメイ、羽根と天璣拾ってクックル戻し、シズクにうらら
返し羽根から入ってサラブレヴァイパー、後ろ作りながらドランシア立てて殴り、デッキロック置いて勝ち
2本目先攻渡されるのを読み切ったものの、手札事故起こして終わり
3本目もデッキロックデッキロック泡影泡影なんかでデッキロック置いて泡影1枚伏せエンドに羽根
シズクに泡影当てるもトップもデッキロックでマッチ負け、チームも負けて今日のドラフトは陰キャにするか展開にするか考える
遊心0-1


図書館エクゾ
後○後○ チ○

にのまえさんと相対
相手チームが全員ワンキルと知っていたためメンバーにそれを伝えるも自分含めチーム4人しっかりジャン負け
相手先攻で無の煉獄、ドローして処理後に

「強欲で謙虚な壺」

🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔🤔

図書館めくれて全てを察するも手札には無限泡影
2本目も泡影うさぎしっかり握って勝ち
遊心0-2


トリックスター
後○後○ チ○

チームソフマップよもぎさん
あまり覚えていないがハンド暴れ散らかしてついでにメガトンも暴れ散らかして華麗にスト勝ち
遊心0-3


セフィラ
先✕(○)先○後○ チ✕

相手がセフィラかオルフェと聞き、デッキ枚数が50だったためセフィラと読んで魂の先攻メガトン
案の定セフィラでもちろん回答はなく、余裕こいてたらホルスでメガトン飛んでった、何起き
事務局回答だったため従うも2分後にジャッジ戻ってきて事務局より折り返し電話があり、無理との事
僕のライフもう無くなったんですけど…
2本目3本目もメガトンと誘発と無限パンクラで盤面壊滅させて勝ち
遊心0-4


真竜
先✕後○後○ チ○

デッキわからず先攻取るも後攻からドラD絡めて展開され爆散、ごめん俺負けたわ!
サイチェンで迷わず後手選択、うさぎやヴェーラーで相手のリソース削ぎつつダメージ稼いでなんとか勝ち
3本目後手で2伏せドラDダイナマイトに冥王、バトル入って拮抗撃つも神宣
召喚に罠でアドバンスされイグニスでてモンスター破壊されるも、返しドラDからイグニス割って使徒使徒にうさぎ当ててダイナマイトにヴェーラー、そのままリソース制して勝ち
後手選択されると思っていなかったのか相手のハンドに拮抗とか見えて、そういう面でも勝ちを拾えたなという印象
真竜対面は死ぬ気でラム素材のドランシアを維持しましょう
遊心0-5でトナメ



魔術師
先✕先○後○ チ○

大魔王ヒマワリ
魔術師とわかっているので方合コズサイ伏せドランシアでターン返すと羽根スタートで絶望
方合でハマコンにクックル
クロノスケールから時読み、星霜置いてオックロンNSされドランシア当てるも手札からアストロこんにちは
どんだけ引き強い…
2本目メガトンティアマトンみたいなんで盤面返すとテキスト確認連打型から魔術スケール1伏せエンド
いやあれ時空ですやん…
メガトンのテキストを読んだヒマワリさん「理解はした」
返しのターンメインフェイズまで通り、時空対象にメガトンの効果起動
ヒマワリさん「そんなことできんの!?」
今までテキスト読んでましたよね?
ダメージ稼いで勝ち
3本目、手札ムレたのかヴルムNS零回収ラスター賤竜で賤竜拾ってターン帰ってくる
天璣からドランシア作りティアマトンでヴルム吹き飛ばしながらスケール封鎖して勝ち
遊心がたけっしー討伐してチーム救う
遊心1-5


サンダードラゴン
先✕先○後○ チ○
ほとんど記憶に残ってないので動画が上がればそれ見てもらえると…
メガトンがディノミ食らって秒で吹き飛んだのだけ覚えてる
遊心1-6


5.おわりに

【十二獣】は決して環境と呼べるほどのパワーがあるわけではないものの、どんな環境にも柔軟に対応できる高いポテンシャルを秘めたデッキだと思っています
«センサー万別»や«王家の眠る谷-ネクロバレー»など一部のカードを除くほとんどのメタ系永続カードが搭載でき、その自由スロットの多さから生まれる多数の誘発も、展開系対面の後手ですら乗り越えられる性能を誇ります
ただ、柔軟かつ多様に対応できるがために、環境に存在するデッキやその他多数のカードに深い知識と理解が必要で、経験が求められるデッキでもあります
自分の実力がフルに出てくるデッキなため、研鑽の期間は楽しく、勝てた場合の快感は別格です
これから勢力を増していくと思われる【十二獣】、あなたも使ってみませんか?

デッキの回し方や各環境対面の戦い方は、気力があればまた書こうと思います

ここまで駄文にお付き合い頂きありがとうございました
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