デッキを作ろう

前回、ドミニオンとはどういうものかを簡単に紹介しました。
今回は、ドミニオンというゲームのシステムとデッキ構築の仕方を説明していきます。

カードを獲得する

ドミニオンでは、カードを獲得しデッキに入れなければデッキは強くなりません。そのために、まずはさまざまなカードを購入していく必要があります。
ルール上、「獲得」されるカードは捨て札に置かれます。次にデッキがシャッフルされるまでは、即座に使えないということですね。
そのため、獲得したカードをいちはやく使うためのドローなども必要になってくるわけです。
中には、カードを手札に獲得するカード、デッキの上に獲得するカードもあり、それらは単に獲得するより価値があるといえるでしょう。
カードの購入も同じです。こちらもルール上、「購入」したカードは「獲得」され、捨て札に置かれます。他のカードの効果でデッキの上に置かれたりもするわけですが。
こうして有用なカードを獲得していき、デッキに入れていくわけです。

獲得したカードを使う

カードを獲得するたびにデッキ枚数は増えるわけで、そうなるとそのカードを使える頻度も落ちてきます。
強いカードはたくさん使いたいですね。解決手段はないのでしょうか。
あります。それが「廃棄」です。
廃棄は捨て札とは違い、完全にデッキ外に出すことを言います。廃棄から獲得するようなカードがない限り、もう戻ってくることはありません。
デッキに強いカードを入れてから、弱いカードを廃棄してしまえば、デッキ内には使いたい強いカードしか残らなくなります。
デッキが薄い分シャッフル頻度も高まり、より強いカードへと手を伸ばせるでしょう。
礼拝堂、衛兵といった廃棄カードがサプライにあれば、まず使うことを検討してみましょう。
廃棄したカードは廃棄置き場に置かれます。これは全プレイヤー共通で、誰でも中身を確認することができます。

「割合」とデッキの「強さ」を考える

たとえば次のデッキを考えてみましょう。
銅貨3枚に、村が10枚。
最低でも連続して8回もドローでき、ものすごく強そうです。
待ってください、本当にそのデッキは強いですか?
いくらドローしたところで、そのデッキの出せる金量は3が限界です。なぜなら、デッキに財宝は銅貨3枚しかないからです。
その村がすべて銀貨なら?…最低でも7金は保証されますね。
目的なくドローカードを入れるのではなく、デッキの強さに見合ったカード獲得が必要なわけです。特に「+1カードを引く」効果は手札を入れ換えるだけですから。
では、村はいつ必要になるのでしょうか?
それは鍛冶屋といった「アクション権は増えないものの強力なアクションカード」を「1ターンに何度も打ちたいとき」です。
村の真価は手札枚数を変えずにアクション権を増やすことにあり、そこにドローカードなどを絡めることでそのターンの手札を強くすることにあります。
つまり、初手での村購入は適していないということですね。
また、デッキ内に打ちたい鍛冶屋が1枚しかないのに、村を2枚、3枚と買うのも適していません。
基本的に、アクション権が増えないアクションを2枚ほど入れてから、村を入れるというので十分でしょう。これが「割合を考える」になります。
この理論は前駆者などのドローカードにもいえます。ドローすることは楽しいですが、まずはドローして価値のあるカードを入れることが先決です。
ドミニオンは最終的には属州の購入を目指すことになるゲームですから、「「8金を出すためのカード」を獲得するためのカード」をまずは獲得すべきですね。代表的なものでいえば、前者は金貨、後者は銀貨です。
ところでデッキ内の割合の話をしましたが、それならばデッキに財宝を増やすため、余った購入権で銅貨を買うべきでしょうか?
…これもあまり有効ではありません。
ドミニオンは最初の手札5枚から始めるゲームであり、ドローカードがない場合は手札5枚で8金を出すことを目指すわけです。
手札5枚で8金、つまりは1枚あたり1.6の金量を出せばよいわけで、銀貨は2金なため要求値を満たしていますね。
銅貨は1枚1金なため要求値を満たしておらず、そういった「弱いカード」をデッキに入れてしまうと「強いカード」を使う頻度が減ってしまいます。先程お話した使用頻度の例です。
そのために、「弱いカード」を無くす、つまり「廃棄」が有効になってくる訳です。
強いカードの割合を高めるために弱いカードを入れず、可能ならば弱いカードを廃棄してしまう。そうすることで、さらなる強いカードへと手が出しやすくなるわけです。弱いカードを入れる必要はありません。

勝利点、何を買う?

屋敷を買えば1点になります。初手に買い、なんと相手に1点リードできました!
ゲーム終了時にどうなっているでしょう?なんと相手に属州2枚の差を付けられ負けてしまいました。
そんなことが容易に起こりえます。何故でしょう?
屋敷は手札に来ると出力金量が0のカードです。つまり、デッキ構築段階では呪いとなんら変わらないのです。
その0金のカードが1枚増えるということは、デッキ内の平均金量が下がり、さらには「強いカード」を打てる頻度が下がります。屋敷は銅貨よりも「弱いカード」なのです。
仮に屋敷を8枚買えたとします。デッキ内の平均金量は薄まり、屋敷を3枚引く手札も頻発するでしょう。これでは属州を買うことなんてできません。
その間に、相手はあなたが屋敷購入にかけている手数を銀貨、金貨購入に充てているため、十分に強いデッキが完成しました。
ここから連続して属州を買われ、8点のリードはあっという間に追い抜かれます。
ドミニオンはゲーム終了時の点数を競うため、途中でのリードは全く意味がありません。
大事なのは、属州が無くなるまでにどれだけ多く買えるか、もしくは自身がリードした状態でいかにゲームを終わらせるかです。
では屋敷や公領を買うことはないのでしょうか?完全にサプライでは空気?
そんなことはありません、確かに購入する機会は存在します。
ただしそれは明らかなゲーム終盤で、今買った金貨がデッキに入る前にゲームが終了しそうだったり、次の自分ターンにゲームを終わらせられる際に少しでもリードするために買われます。
いずれにせよデッキ構築に寄与しないカードを序盤から獲得するのは悪手で、適切にタイミングを見計らわなければならないわけです。
おおよそのタイミングですが、属州をいくらか買ったのち、8金が出ず、さらに属州枚数がプレイ人数を下回る頃が買い時でしょう。

 

ドミニオンでは多彩なアクションに目が行きがちですが、まずは銀貨や金貨を狙うのがわかりやすくデッキ成長が見込め、安定します。
弱いカードを無くす、入れない。
強いカードを入れ、それをサポートする。
これを心がければ、属州購入も安定するわけですね。